ネットで名刺を発注して感じた「新しい時代」

2016.10.22 岡田定晴
 夏空と金魚(作曲:Amacha)

 これまで長い間、統一されたデザインやフォーマットで作成された名刺を会社から与えられてきたため、自分自身で「どんな名刺を作ろうか」と考えて発注するのは初めてのことでした。 いろいろな名刺を参考にしながら、ワープロを使って何通りか見本を作ってみました。これまでカラー刷りの名刺を持ったことが無かったので、カラー刷りにしようと思いました。 会社名や肩書、住所やURL、メールアドレス、QRコードなどを自分で配置して、何とか名刺の形になりましたが、デザインに関しては素人の自分には限界がありました。

1注文内容確認  いよいよ注文しようと、インターネットで名刺を印刷してもらえる店を探しました。一件ずつ丁寧に調べている時間はないので、印象に残った数件の店から選びました。 自分でワープロで作成したものがあり、PDFにも変換しているので、それをそのまま印刷して貰えれば良いと思っていました。 私が選んだインターネットの名刺屋さんには、印刷する紙の種類、書式(フォーマット)やデザインが数多く用意されており、まず、その中から好きなものを選びます。 記入すべき「会社名」「姓名」「ふりがな」「住所」「メールアドレス」「URL」などの情報を入れて、最後にロゴやQRコードなど自分で作成した画像ファイルを、位置やサイズを指定して登録すると、 見栄えの良い名刺が完成しました。



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 余白の設定や、適切な文字フォント、デザイン、カラーなど、自分一人で作成しているときには気付かないことが多くあることもわかりました。 特に、同心円を描いて波が広がるデザインや、そこにロゴを当てはめることなどは、自分一人ではできないことでした。 最終的に、出来上がった名刺の画像、用紙の種類と枚数、注文金額、支払方法、申し込み者の連絡先情報などを確認して完了しました。


2ネコポス地図 3ネコポス配達完了  インターネットで注文すると、即座に登録した自分のメールアドレスに、その店から「ご注文ありがとうございます」というタイトルのメールが 送られてきました。それには、注文の詳細と金額、支払方法として「後払い」を選択したので「与信審査」があることの通知、申込者と届け先の情報などが記されていました。

 注文してから2日後、商品を出荷したことと、商品の配送状況の確認方法を知らせるメールを受け取りました。 その後、配達状況(荷物受付、発送、作業店通過、配達完了など)が、それぞれ日付と時刻とともに示され、地図上で確認することもできました。
 商品発送完了のお知らせの翌日には、配達が完了しました。配達完了の2日後に、請求書を送ったという連絡があり、その翌日にコンビニから振り込み、 その3日後に「お支払いありがとうございました」のメールを受け取りました。


4届いた名刺  今回、私の名刺作りですが、「どういうものを作るのか」に始まってから、完成したものが私の手に届くまでの過程を改めて振り返ってみると「素晴らしく完成されたシステムだ」「これは見事だ」と思いました。 自分で名刺を作成して、商品の出荷・配送・支払いに至るまでのすべてが、情報システム化されているのです。 このこと自体、今の世の中では珍しくはないことは十分承知しています。

 しかし、こうしたことが当たり前に行われていなかった時代を生きてきた私にとって、インターネットがもたらしている「暮らしの革命」の凄さ、勢いを感じてしまうのです。 考えてもみて下さい。この名刺の件は、作成することの支援、つまり名刺の字体や色合い、更に全体デザインなど極めて人間の知能や感性に関わるところの支援から始まり、 その上、名刺の印刷・配送・支払の各業者の連携がうまくとれていて、時間的ロスが全くありません。その結果、 昔はなかった事業分野にICT(情報通信技術)が入り込んでいる凄さを実感するのです。 それと同時に、多くの人がICTの恩恵を受ける暮らしの中で、このような仕組みを構築した 業者に仕事が集中していくのではないか、 このような情報システム化があらゆる分野で進んでいるのではないか、こうした情報システム化の恩恵を受けられる人と受けられない人との間で 大きな差が生じていくのではないか、など様々なことを考えさせられました。

 今回の名刺の発注システムのように、これまでICT(情報通信技術)に縁のなかった事業分野に情報通信技術がどんどん入り込んで、 我々の暮らしに便利さや豊かさをもたらしてくれることでしょう。しかし、その恩恵にあずかるには、ある種の経験やスキルが必要です。 政治家や教育者がもっと今のICTの進歩や力を認識して、その恩恵にあずかることのできる人を育て格差を生じさせないようにすること、 更に今回のような情報システム化を実現できる高度なスキルを持った人材を育てることなど、具体的なアクションを起こしていく必要があるのではないでしょうか。 日本が世界に遅れをとらないよう、日本の産業の競争力強化や人々がより豊かな暮らしをするために、この分野に強くなってもらいたいものです。


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