寿司注文の情報システム化

2016.11.03 岡田定晴
 秋の森の動物たち(作曲:Amacha)

 11月1日は「寿司の日」でした。昭和36年、全国すし商生活衛生同業組合連合会が、この日を、みのりの秋・収穫の秋・米への感謝の日とした のだそうです。

 さて、本題に入ります。これまで、回転寿司には何度も通いました。座席の横をいろいろな種類の寿司が動いていくのを見て、欲しいものを取って食べます。 私の座る場所が、寿司を握る場所から離れていたりすると、皿に寿司が乗ってからちょっと時間がたったものや、最初の一回り目で客の手が出ないまま 二回り目を迎えて少しネタが渇き気味のモノもありました。それはさておき、ほとんどの店で 寿司一皿の価格に応じて、お皿の絵柄を決めています。ですから、お皿の絵柄を見れば一皿いくらの寿司かわかるシステムになっています。 みそ汁など冷めては困るものや特別なものは、個別の注文を受けて直接テーブルに運ばれますが、 一皿の価格がお皿の絵柄に対応していることは他の寿司と同じです。会計は、店員がお皿を数えて合計いくらかを計算し伝票に記載します。 その伝票をレジに持って行って、支払いをします。



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 つい先日、娘夫婦、孫たちと一緒に回転寿司の店に行きました。その店は、上述したような渇き気味のネタが乗った寿司などありえない、いつも新鮮な 寿司が提供されるシステムが出来上がっていました。各机に配備されているタブレット端末でメニューを見て注文し、注文した寿司を乗せた模型の電車が 座席の横まで届けてくれるという仕組みになっています。注文したものが直接テーブルに届くので衛生的な感じがします。小学校1年と、3歳の2人の孫は、 iPadでゲームをするのが好きで、寿司の注文用のタブレット端末に大喜びです。小学校一年の孫は端末を独占し、周囲に何が欲しいかを聞いて 注文します。端末を触らせてくれません。さらに、模型の電車が寿司を届けることにも大喜びです。また「おまけ」が当たる品があって、 その品を注文するように勧めてきます。新しい仕組みに慣れていない私は、孫たちの動きに圧倒されてしまいました。

 気がついてみれば、寿司注文もいつの間にか情報システム化されています。端末で注文を受け、注文に応じて用意した寿司を模型の電車に乗せ お客さんに運びます。ですから、どのようなお客さんがどのような注文をどれくらいして売り上げがいくらだった。そうした貴重な経営データが 正確に把握できる筈です。回転寿司の経営の実際がどうなのかは全く知りませんが、ネタ切れ、曜日や祝日、天気や気温や湿度、 滞在時間などを一緒に集計してデータを集めれば、何をどれくらい仕入れたら良いのか、売り上げや利益を最大にする方法がわかるかもしれません。

 回転寿司は、機械的な仕組みですが寿司を提供するのに効率的な仕組みです。この仕組みができた昔、店に入って感心したものです。 今は、機械的な仕組みに加えて情報システム化が図られ、私たち消費者に、より新鮮でおいしい寿司を提供できるようになりました。

この回転寿司の情報システム化は、日常生活の中にどんどんICT(情報通信技術)が入り込んできて、これまでできなかったことが可能に なっているという典型的な例です。しかも、この寿司注文の仕組みもお客さんがごく自然に受け入れているという姿を見るにつけ、 ビジネスの社会だけではなく、ICTが当たり前のように日常生活をどんどん変えていくのだろうなあと、その大きな可能性を感じ取ることができました。


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