Skype

2017.01.12 岡田定晴
 ソワールへ続く道(作曲:Amacha)

写真:インターネットのある生活  平成16年(2004年)の暮れのことでした。 当時、私は北海道に単身赴任していて、仕事が忙しく健康の維持にも時間を使いたかったので、 普段の生活に必要となる様々な「手間」を出来る限り効率化したり省略していく必要がありました。 その頃はインターネットによるサービスが幅広く普及し始め、ICTによって生み出された利便性、 便利になった暮らしを実感した時代でした。 買い物、航空券やホテルの予約・購入、旅行の手配、宅配便の引渡しや受取りに関する手続き、 贈り物の小包の追跡、ネットバンキングによる銀行振込み、 電報やハイブリッドメール (パソコンで作成した文書を届け出先に近い郵便局で印刷し封筒に収めて配達するサービス)、 Yahoo!路線情報による列車の運行時間と乗換案内の確認などが可能になっていました。 私は、新しいサービスを見つけるとすぐに利用して、その恩恵を受け、生活を便利にしてきました。



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 その頃、テレビ東京の『トレンドたまご』で、『Skype』を紹介していました。 インターネット回線を通じて、世界中の国々と無料で通話ができる、 安価な料金で加入電話と通話ができるという内容にワクワクしました。 手許にメモ用紙や筆記用具が無かったので、頭の中で『スカイプ』『スカイプ』と繰り返しながら パソコンの電源を入れてSkypeのホームページを開き、実行プログラムをダウンロードしました。

写真:インターネットのある生活(電話)  インターネットに繋がっているコンピュータ同士で通話する相手は居ませんでした。 一般的な加入電話と通話するためには、「SkypeOUT クレジット」というものを10ユーロで購入する必要がありました。 当時、1ユーロは133円から140円でした。クレジットカードで決済して、すぐにSkypeから加入電話に通話できるようになりました。

 早速、名古屋の母に電話をしました。音が歪んだり、エコーが返ってきて聞きづらかったのですが、 何とか使えました。 母からは、最近、電話が聞きづらいと文句を言われました。 それでも、日常生活で積極的に利用するようになりました。 通話日時と料金の記録が残ること、 一回の通話が7円程度であったことも魅力的でした。 Skypeを利用するたびに、音の品質や改善すべき音声の不具合についてアンケートがあり、それに答えていました。 私がSkypeを知り、使い始めた2004年は、Skypeの会社設立から1年、SkypeOutの機能が世の中に出て間もなくのことでした。

写真:海外とのテレビ電話 当時の通話品質は中々良くならず結局、Skypeから次第に遠ざかりました。しかし、海外に連絡するときは、 安価であることが有難く、多少のことは我慢して使いました。そんなSkype草創期から約10年。 2013年には、海外に住む家族との連絡で、週に一度Skypeを利用するようになりました。 既にテレビ電話(ネット接続の端末同士)が可能になっており、映像や音声は殆ど問題なく、 満足できる品質に向上していました。

 電話番号(Skype番号)を持って、世界中の固定電話や携帯電話に応答すること、メッセージ通信をすること、 Skypeで通話を受けられないときに相手側にメッセージを残してもらうこと、別の電話に自動転送して通話すること、 自宅の加入電話からSkypeの料金で国際電話を発信すること、SMSメッセージを送信すること なども出来るようになっています。 小規模な企業や組織で、名刺に加入電話ではなくSkype番号を記入している 例も見掛けます。 日本では、この革新的なサービスが大きな問題になることは無かったようです。しかし、世界の国々の中には、 電話事業者の保護、海外からの情報の流入の制限、セキュリティやシステムの安定といった理由で、利用制限や禁止している国もあるようです。

 今ではSkypeに止まらず、FaceTime(iPhone・iPad)、LINE、Facebook、ビジネス用のチャットやテレビ電話会議システム (Skype、WebEXほか)など、 多くの映像・音声・データの通信システムが提供されるようになりました。 ICT(情報通信技術)の発展の恩恵を受けて、 世界中の人々が安価にコミュニケーションをとることが できるようになりました。世界の国境が無くなってしまったようにも感じます。 こうした恵まれた環境にある今、プライベートでもビジネスでも、新しいコミュニケーションツールを積極的に使いこなしていける人が増え、 豊かな社会を築いて欲しいと思う次第です。


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