入院生活と病院の情報システム化

2017.04.12 岡田定晴
 忘却のパヴァーヌ(作曲:Amacha)

 3月に、一週間ほど大きな病院に入院しました。生まれて初めてのことです。それほど深刻な病気ではないので、病院で読もうと インターネット関連の書籍を3冊買いました。それでも、治療に専念するために、WiFiの無い病室を選び、携帯電話も持ち込みませんでした。 つまり、携帯メールやインターネットの利用ができない状態になりました。

 買い込んだ書籍のうち1冊は読んだのですが、読書にはあまり身が入らず、病室に備え付けのテレビにイヤホンを付けて、 ワイドショーを見るという生活が始まりました。連日、どのチャンネルも、森友学園やキムジョンナムの話題一色でした。 大きなパネルに写真や文字を貼り付けて、キャスターとコメンテーターが会話をしながら解説する手法は、とても分かりやすく、 ついつい番組の最後まで見てしまい、それでも足りずに別のチャンネルを探して視聴するということを繰り返しました。 お陰で、この2つの問題に関しては、知らない人に十分教えてあげられるようになりました。何を訊かれても、 即座に答えられるようになり、テレビのおかげで随分詳しくなったと思いました。 退院して自宅に戻ってからも、暫くのあいだ、この習慣が抜けませんでした。



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 インターネットが普及し、デスクトップパソコンや、ノートパソコンやタブレットなどモバイル機器を頻繁に使うようになってからは 毎日4時間も5時間もテレビを見ることはありませんでした。インターネットの無い昔は、時間があればニュースや報道番組、 ドラマや歌番組などを次々に見て4~5時間経ってしまうことは良くありました。 今回の入院で、自分はインターネットが無ければテレビを見るのだとわかりました。

皇居のスワン  病院に入院する際、右手に氏名とバーコードを印刷したテープを巻かれました。 体温、血圧のほか、必要な情報がこれに紐づけて管理されます。 点滴を交換するときは、口頭で「氏名と生年月日を言うこと」を求められ、更に右手のバーコードと 点滴に貼られたバーコードを読み取って確認をしていました。絶対に間違いが起きないように、 十分に確認をしたのち、点滴が交換されていました。 退院するときの料金支払いも、この右手のコードのお世話になりました。 支払いが終わって病院を去るときに、このテープを切り離してもらいました。

 私は、還暦を過ぎるまで、大きな病院を利用することはあまりありませんでした。 ですから、病院で何時頃からどの程度の情報システム化が進んできたのか、また 情報システム化される前の大病院がどのような状況だったかも想像できません。 多くの患者が利用する3つの大きな病院でお世話になりましたが、 どの病院も、しっかりと情報システム化されていました。
・受付
・血液検査等の管理
・診察待ち状況の表示と呼び出し
・会計処理
・支払の順番待ち表示
・支払い
・領収書、予約票、処方箋の発行
・証明書等の申し込み、発行
  などが管理されています。
患者として直接見ることはありませんが、
・カルテ
・人間ドックのデータ(同じ病院で受診した場合)
も情報システム化されています。このおかげで、病院で長時間待たされると感じることはありません。

 広い待合室や各診療科の待合室に溢れる人、自動支払機の順番を待つ多くの人を見て、 「情報システム無しでは円滑な診察や治療を受けられない」、「情報システムが多くの人の健康を支えている」 のだと実感しました。勿論、優秀な医師やスタッフあってのことですが。 そして、病院で会うことはありませんが、こうした情報システムを構築し、システムの維持運営や機能の 追加や改善をしている人たちの存在があって、より多くの患者が質の高い医療に接することができるのだと 感じました。


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