ICT(情報通信技術)発展の裏側 ~その1~

2017.05.23 岡田定晴
 ないしょのお話(作曲:Amacha)

羽田空港ICT  毎日の生活の中で、ICT(情報通信技術)のお世話にならない日はありません。それが、しみじみと ありがたいものであると感じるのか、なんでこんな面倒なことをしなくてはならないのかと思うのか、 どうしてここまで自分のことが把握されなくてはならないのかと怒るのか・・・、感じ方は様々ですが、 情報通信技術が大きく発展し、私たちの日常生活に深く入り込んできました。 ICT(情報通信技術)の発展と一言で言っても、その背後には、多くの人々の大変な苦労の積み重ねがあり、 それが同時に世界中の多くの場所で起き、相互に影響し合い、その結果として、技術の発展があるのでしょう。



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 今、仮に大きな組織の中で、実績のあまり無い新技術を使って、新たなサービスを生み出そうという プロジェクトが発足したとします。あまり使ったことのない技術、常に発展し成長している技術を、 業務で使い発展させていくことは、簡単なことではありません。既に成熟して大きな変化の無くなった技術に対しては、 守りの姿勢でもうまくいくのかもしれません。しかし、成長著しい新しい技術分野に対しては、 柔軟で革新的であることが生命線です。柔軟で革新的である人は稀な存在です。

 プロジェクトの基礎になるのは「人」です。専門能力である「技術スキル」と、人間としてのスキルである 「責任感やコミュニケーション力や精神力」、更に「高度な専門性」や「俊敏な対応」も必要でしょう。 どんな組織も、「育成される人材」と「人材を育成する人材」が必要です。でも、そんな人材は滅多にいません。 もし居たら、既に重要な役割を果たしている部門に奪われてしまいます。だから、組織内では知られていないが 大きな可能性を持っている人を発掘して育てることが必要です。でもそのように考える人も稀な存在です。

湖  最も重要なのは、「プロジェクトに関係する人々の価値観が一致し、その価値観が組織としても理解されていること」、 「決して焦らず、急がば廻れ、毎日小さな階段を昇り続ける。」という精神でしょう。 仕事で多くの成功を収め、個人として自信を持つようになると、兎角、謙虚さを失いがちです。 組織のリーダーは、自分とは異質なものを、否定したり遠ざけるのではなく、謙虚に人の考えを訊き、 理解し、参加していかなければ、人は動きません。これが出来なければ、いくら優秀な人材を集めても、 発展はありません。偉くなっても謙虚な人というのはそれほど多くはありません。稀な存在かもしれません。

 新しい取り組みに少しでも成果が現れて、収支のバランスが確保でき、リスクが最小化できれば、 関係者以外の人たちの理解が得られるようになる筈です。こうした条件が整えば、 人を育て能力を発揮できる環境が整い、そのプロジェクトに参加したいという優秀な人も増え、 新しい技術を自在に操れる人を育てていくことができるでしょう。

花  でも、ここまできたプロジェクトも、そのまま順調に成長していくことは難しいものです。何故でしょうか。
(~その2~へ続く)


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