海外に出て感じた情報通信技術の進化~その2~

2017.07.14 岡田定晴
 夏空と金魚(作曲:Amacha)

 実際に海外を往復して感じた「情報通信技術の進化」について、前回の続き、搭乗手続きから帰国までを描きます。

自動化ゲート登録  次に、自動化ゲートの利用者登録です。自分の指紋を登録することに不安はありましたが、 混雑するときにも待たずに入出国が自動的にチェックできることの便利さを考え、予め自宅で記入した 「自動化ゲート利用希望者登録申請書」を提出して指紋とパスポート情報を登録しました。 指を置く位置を調整しましたが、5分もかからずに登録が完了し、パスポートに「日本国自動化ゲート利用希望者登録済」の スタンプが押され、手書きで日付等が書き込まれました。この仕組みはもう10年ほど前から導入されていたようです。 ことし10月からは、顔認証技術を活用したゲートが羽田空港に導入されるようで、 パスポートに記録された顔との照合で一致すればゲートを開くもので、事前登録の必要はありません。

自動チェックイン機  続いて、航空機のチェックインです。予定の時刻に航空会社の受付カウンターに行ったのですが、 「エコノミークラスは、自動チェックイン機でチェックインを済ませてから荷物を預かります」と 立て看板に書かれてあり、初めて自動チェックイン機を使うことになりました。 eチケットとパスポートを用意し、サポートをしてもらいながら座席を予約し、航空券を受領して チェックインを済ませました。日程表に書いてあった時刻を守ったのですが、自動チェックイン機は その数時間前から対応できたようです。航空券とパスポートを持って、航空会社のカウンターで荷物を預けました。

 手荷物検査のゲートをくぐり、出国審査です。混雑はしていませんでしたが、初めて自動化ゲートを 使ってみました。指紋の一部が隠れないように、指を置く位置に気を付ける必要はありますが、 問題なく短時間に通過できました。

出発案内表示板  このあと、出発ゲートへ向かいます。途中、航空機の出発案内表示板を見ると、文字は小さいのですが、 近くに寄って見下ろすように設計されており、とても分かり易くなっていました。





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 航空機が目的地に着陸し、ベルト着用のサインが消え無線機器の使用許可が出ると、乗客は一斉にスマホをチェックします。 羽田を離陸する飛行機から いまだにガラケーを使っている私も、レンタルしたWiFiの電源を入れ、iPadで日本のニュースを見ました。 台風・大雨の情報や東京都議会議員選挙後の情報や、このブログサイト「平成の徒然草-ICT版」を見て、 日本にいるときと全く同じようにiPadが使えることに安心しました。 昔は、海外に来たら、日本の情報は見ることが出来ず、 簡単に電話もできない、日本語に接する機会がないので、ほんとうに一人で遠くまで来てしまったと感じたものです。 でも今は、そんな感覚は全くと言ってもいいほど無くなりました。北海道や九州に旅行をするような感じです。

座席のUSB電源  空港から街の中心部への電車や地下鉄の乗車券は、外観は紙でできたカードですが、透かして見るとアンテナとICチップが入っています。 このカードをSUICAやPASMOのように、センサーにタッチして通ります。空港からエキスプレスに乗車して座席に座ると、 目の前(前席の後部)にUSBの+5Vの電源コンセントがありました。

地下鉄内でスマホを見る人 利用している人を見ました。街の中心部から地下鉄に乗ると、乗客は皆、日本と同じようにスマホを操作しています。 ただし、スマホ歩きをしている人は日本ほど多くはありません。 ホテルに到着し、チェックインをすると、ICカードの部屋の鍵を受領し、ホテルのWiFi(無料)のIDとパスワードを 教わりました。

Google徒歩経路  オフィスのあるビルの中や公園から、家族にメールや写真を送って、無事であることや状況を知らせました。 Google地図に、徒歩経路を表示する機能(ベータ版)があり、今いる場所から目的地までの歩行ルートや所要時間を 表示してくれます。貴重な時間を有効に活用するという面で、大変便利に使えました。 この機能を使って訪れた店でお土産のお茶を購入し、メールアドレスと携帯電話番号を記入して会員登録をしたら 10%割引されました。 事前の調査で、Google地図やストリートビューには大変お世話になり、不慣れな外国に安心して行くことが できました。でも、その街は、地下道やビル間を渡る廊下で遠くまで行くことができ、 地上を歩くよりはこちらのほうがメインルートになっていました。現地に行って初めてわかったのです。 日本に帰国する際の現地の空港での対応は、日本と同じでした。日本に入国する際の審査に、自動化ゲートを利用しました。 長蛇の列をなしている一般の入国審査を横目に、誰もいない自動化ゲートを短時間に通過し、 自宅へ帰ることのできる最終電車に乗ることが出来ました。

 考えてみると随分とICT(情報通信技術)のお世話になっています。5年前、少なくとも10年前には、 これほどICTの力を借りることはありませんでした。ICTのお陰で、初めての場所に独りで往っても、 不自由なことは無く、大変便利になりました。しかし誰でもICTの恩恵を十分に受けることが出来るには、 まだ時間が必要でしょう。「昔の方が良かった、どうしてこんなに面倒な世の中になったのか。」と思う人も多いでしょう。 ICTは社会インフラになっており、現代人が生きていくうえで、そのインフラにのるサービスを受ける能力が 必須のものとなっているように思われます。ICTを積極的に利活用できる人を育てる教育が 必要な時代になっているのでしょう。算数や国語や英語のように、現代を生きていくために、ICTの教育は必須のものであると感じました。


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