初めてのESTA ~ヒューストン乗り継ぎ~

2017.07.24 岡田定晴
 セピア色の渚(作曲:Amacha)

 成田からメキシコのグアダラハラへは直行便がなく、ヒューストン経由となりました。 12時間ほどの飛行時間ですが、小学校の低学年や幼稚園生でも長時間の飛行に耐えられました。 シアターのコンテンツが充実していたおかげで、子供たちはアニメやゲームなどを楽しんで退屈することはなく、 事前の心配は必要ありませんでした。ヒューストンには、予定より約25分早く午前9時5分に着きました。 11時26分の乗り継ぎ便の出発まで2時間21分あります。乗り継ぎには、十分な時間があると 思われました。

 いよいよアメリカへの入国審査と乗り継ぎです。飛行機を降りてから、進む道が間違っていないか 心配でしたが、横に分かれる道はなく、皆同じ通路を進んでいきました。 左手に入国審査を行う大きな部屋を見ながら左手に折れて、皆と同じ道を行くと、 3本の分かれ道になっていました。左端の「American Citizen / Esta」、「関係者」「Visitor」などと それぞれ書いてあります。ここに案内係と思われるおばさんがいたので、 「自分はAmerican Citizenではないが、ESTAを持っているので、この道で良いか?」と尋ねたのですが、 「書いてある指示を見て進め」としか言わない。ずるい。

 「American Citizen / Esta」の道を進むと、ESTAの自動ゲートの端末がたくさん設置されている場所に 出ます。順番を待って、係員の指示する端末の前に立つと、タッチパネルで言語が選択ができ、 日本語で操作することができました。パスポートを読み取ると、情報の確認作業や、指紋の読み取り、 顔写真撮影などの作業があり、完了ボタンを押すと、かなり長い時間待たされて、 撮影した顔写真と個人情報が印刷されて出てきます。何故かその紙には大きな×印が印刷されていました。 その印刷物を持って進み、進む方向を指示している人に見せると、右に行くように言われました。 そこは、多くの人がとぐろを巻いて並んでいる列の末尾でした。

 この時点で、飛行機が到着してから1時間経過、乗り継ぎ便の搭乗開始まで45分となっていました。 列はほとんど前に進みません。多くの入国審査のゲートがあるにもかかわらず、2つのゲートしか運用されていません。 自分たちが振り向けられたのと違う方向に行った人がいる場所を見ると、人数も少なく審査も早い。 ESTAの承認を得るのに、日本で登録作業に一時間もかけ14ドルも支払っているのに、 なぜ乗り継ぎ便に乗れないほど待たされるのか、理由がわかりませんでした。 日本語で話していると、反対側の列にいた親切な日本人が「ここで間違いないよ、×印を印刷された人は皆こちら、一時間かかる。」 と教えてくれました。



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 予定の搭乗時刻に、入国審査のゲートへ行くことすらできないかもしれない。乗り継ぎ便には乗れないだろう。 でも何とかなると思って並ぶしかない。そんなことを考えているときに、やっと係員が長い列で待つ人を 空いている審査ゲートに振り分けるようになり、人が流れ始めました。そして、いよいよ入国審査の順番がまわってきました。 審査官との簡単なやりとりのあと、右の4本の指、右親指、左の4本の指、左親指の各指紋と、 顔写真を撮影しました。大人2人と子供2人でしたが、指紋や写真は大人のみでした。 大柄な黒人の審査官は、子供にはとても優しくしてくれました。

 入国審査を終えたのは、搭乗開始予定時刻5分前でした。手荷物検査場をめざして走りました。 Transit という文字はどこにも見あたりません。Connected Airline と書いてある方向に走りました。 わかりにくい場所があり、ここが通路かと思うようなところを通ってエスカレータで上の階へ。 (手荷物受取場所から、手荷物チェックの機械のある場所を通るのが通常ルートであり、 今回は成田で預け入れた荷物が自動的に搭乗機に運ばれるので、違和感がありました。)

手荷物検査場に到着。靴も脱ぐように指示されました。 ノートパソコンやデジカメ、iPadはリュックから取り出して検査に出しました。 何も言われずに無事通過。孫のリュックの水がチェックに引っかかるが、水と分かりOK。 子供に優しい審査官から、US JUNIOR OFFICER と書かれたシールをもらって喜んでいました。

さて、もう時間がない。乗り継ぎ便の出発ゲートを探します。 成田でチェックインを済ませておいたUnited Air の搭乗券を見て、搭乗便の番号と 掲示板を見比べて、搭乗口がC43とわかり、搭乗口へ向かってかなりの距離を走りました。 それにしても、飛行機の便数が信じられないほど膨大で、短時間に搭乗口を見つけたのは 奇跡的なことでした。やっとのことで、乗り継ぎ便の搭乗口C43に到着しました。

 搭乗口では、搭乗開始時間の筈なのに、多くの人が椅子に座っていて搭乗する様子はありません。 ゲートの先に飛行機もありませんでした。出発予定時刻が、11:25から12:32に変更されていました。 空港の無料WiFiを利用して、メキシコのグアダラハラ空港まで迎えに来る娘婿に到着予定の遅れを知らせました。

 乗り継ぎ便の搭乗手続きの勝手がわからず列に並んでいると、名前が呼ばれました。 航空会社のカウンターで、パスポートと搭乗券を見せるルールになっていたようです。 日本では、搭乗を待つ人の列に航空会社の係員が行って、一人ひとりパスポートと 搭乗券をチェックしています。やっと、メキシコ グアダラハラに向けて出発です。

 それにしても、ESTAとは何だったのでしょうか。入国審査を円滑に済ませるためのものでは なかったのでしょうか。想像するに、ESTAは、左右の4本の指紋、 顔写真が登録された状態で有効に機能するもので、初めて使用するときは、その登録を する必要があり、そのために待たされたと考えられます。 2回目からは、入国審査が円滑に行われることを期待します。

 初めてアメリカの空港で、他の都市に向かう便に乗り継ぎをされる方もおられると思います。 参考になるように、2017年7月中旬の状況を箇条書きでまとめておきます。

ヒューストンで乗り継ぎをする場合の注意事項
・ヒューストンの空港におけるわかりやすい表示やアドバイスは期待できない
・ESTAの一回目の使用は、指紋採取や顔写真撮影のため時間がかかる
 このため、乗り継ぎには十分な時間(3~4時間)が必要
・乗り継ぎ便のチェックインは成田で済ませ、乗り継ぎ便の搭乗券を保管しておく(日本でできることは日本で済ませる)
・長時間の拘束(行列に並ぶ)に耐えられる体力があること。
 トイレは着陸前に済ませ長時間の待ちにも我慢できること。
・人を待たせること、乗り継ぎの搭乗時間に間に合わないことなどへの配慮はない
・飛行機内で到着する国に入国するための書類を書く筆記用具は必要



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