
これまでに書いた「インターネット接続」「カーナビアプリ」「日本のテレビ」「Uber」のほかに、
メキシコ第2の都市グアダラハラの生活で体験したICT(情報通信技術)についてまとめます。
いずれも、とりたてて書くほどのものではありませんが、どこの国でもICTを活用しているという
事実を、旅の記録とともに記しておきたいと思います。
動物園のバーコード

入園料を支払うと、バーコードが印刷された紙が渡されます。入口のゲートで、それを腕輪のように
手首に巻き付けます。センサーでバーコードを読み取らせ、ゲートを通って入園します。
縦長な広大な敷地に広々としたスペースを確保して、動物が自然に近い形で飼われています。日本の
動物園にみられるように、檻に入れられた動物を見て回るという動物園ではありません。

まず、縦長の広大な敷地を縦方向に往復するリフトに乗って、ライオンや象を始めいろいろな動物を上空から観察します。
リフトは元の場所へ戻ってきます。管理がしっかりしていて、リュックや手提げバックのような荷物は、
事前に預け、番号札をもらい、リフトを降りたところで受け取ります。事故や動物への配慮からでしょう。

次に縦長な敷地を「汽車のようなバス」に乗って、リフトからよく見えなかった動物を地上から観察します。
バスは、ぐるっと回って元の場所に戻ってきます。徒歩で猿を見に行くと、猿のいる檻の中へ人が案内され、
一定の時間経過後に檻を出ます。そこは次の檻との緩衝地帯になっていて、いったんそこに人を閉じ込めてから、
次の檻へ人が案内されます。

次はMASAI MARAというサファリです。サファリバスに乗って、シマウマやキリン、
ダチョウ、ゾウ、サイなどを間近に自然な姿で観察します。水族館は、歩いて見学します。
バーコードの読み取りは、入場の際のみで、あとは乗り物に乗るたびに色の違う色鉛筆で横線を引かれました。
記念写真のメール配信サービス

オスピシオカバーニャス、壁や天井にはメキシコの歴史を示す巨大な壁画が描かれています。
1997年に、その建築の美しさと歴史的、文化的な重要性についてユネスコの世界文化遺産に指定されました。
その建物の一部に、子供たちが学びながら楽しめるような部屋があり、そこで記念写真を撮って、3種類のアレンジから
好みを選択してメール送信できるサービスがありました。そのサービスによる記念写真です。
ピザ店の呼び出し端末

海外に出て戸惑うのが食事です。価格と量が、日本の常識とは全く違うのです。慣れるまでは、
少なめに頼むのが無難です。それでも、予想外のことが起きます。日本でも大きなショッピングセンターには
多くの小さな店が軽食を提供し、共同で用意されているテーブル席で食事をする場所があります。
そんな場所のピザ屋さんで、85ペソ(510円程度)のピザを注文しました。
見ていると、注文を受けてからピザを焼いています。支払いを済ませると、大きな端末を渡されました。
どのように連絡が来るのか、テーブル席で興味深々と待っていましたが、あまりにも遅いので注文した
カウンターの近くで待っていると、店員が端末にデータを打ち込んでいます。手渡された大きな端末が
振動し、赤のLEDが派手に光りました。この端末と、ピザを交換しましたが、ピザは日本の宅配と同じように、
段ボールの箱に入れられ、開けてみると巨大なピザが出てきました。とても一人では食べきれません。

あるショッピングセンターのレストランでは、写真のような端末がテーブルに置いてありました。
店員を呼ぶためのものです。日本以外の海外では、たいてい自席で支払いを行います。3つあるボタンの左側は、
支払いを依頼するボタンで、押すと3つのボタンの中央の小さな膨らみの下が青く光りました。
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道路沿いの巨大デジタルサイネージ

日本では、渋谷のスクランブル交差点から見える巨大なデジタルサイネージほどの大きさのサイネージを
道路沿いに見かけます。空港からグアダラハラ市内へ向かう道、イグナシオ・ルイス・バジャルタ通りなどで
見つけました。私の仮の住まいからも、ヨーロッパの凱旋門を思わせるようなLos Arcosの近くに巨大デジタルサイネージがありますが、
24時間ずっと表示され続けているのが見えます。いずれも、内容は広告で、日本のようにニュースが流れることは無いようです。
渋谷の巨大サイネージですら早朝には表示されていないのに、24時間表示し続けても採算がとれるのか不思議です。
また、トラケパケや市中心部のダウンタウンでは、デジタルサイネージをほとんど見ることがありませんでした。
最新のショッピングセンターでは、店舗専用の広告に大型のデジタルサイネージが使われていました。
スーパーマーケットのレジ
スーパーマーケットは、日本に比べて品揃えが豊富で、あらゆる商品のサイズが大きく、価格は日本の半額程度に感じられ、
売り場は倉庫のようで巨大な印象を受けます。ここだけを見ると、メキシコは大変に豊かな国であるように思われます。
商品の棚には価格が液晶で表示されています。買い物用のかごは用意されているのですが、
幼児を座らせる機能が付いた大型のカートを使って、買いたい商品を載せていきます。
レジに着くと、頑丈なベルトコンベアーにカートから商品を出して載せます。
前の人の商品が残っているときには、間仕切りが置かれます。日本と同じように、商品のバーコードを読み取り、
合計金額が大きく表示されます。バーコードを読み取った商品は再びベルトコンベアーに載せられ、
その先にいる作業員が袋詰めをして、使っていた大型のカートに載せてくれます。作業員に「グラシアス」と言って
チップを5ペソ程度あげます。この作業員が、レジの先に大勢立ち並んでいる姿は異様な感じがします。
袋に入れられた商品を取り、大型のカートを返却します。
駐車料金の支払い

駐車場に入る時、カードを受け取り、車を止めて出かけます。
歩いて駐車場に戻った時に、機械にカードを入れて現金を支払い、カードを受け取り、
車に乗って駐車場を出るときにゲート横の機械にカードを入れるとゲートが開きます。

Bosque Los Colomos という大きな公園があります。そこに、日本庭園があります。平日でしたが、子供の集団や観光客で賑わっていました。
この日本庭園は、『京都市とグアダラハラ市が姉妹都市交流の友情のシンボルとして、京都にある特別史跡・特別名称「醍醐寺三宝院庭園」をそのまま建設したものである』と
庭園入り口にある記念碑に書かれていました。この大きな公園の駐車場を出るところにゲートがあり、現金を機械に支払いましたが、ゲートが開きません。
ゲートには係員も不在で、近くにいたとても親切な紳士が係員を探し、係員が適切な処置をしてくれてゲートを出ることができました。
集合住宅のセキュリティゲート

自動車の場合は、非接触のICカードをかざすと、ゲートが開きます。人の出入りは、管理者がチェックします。
有料道路は現金払い
有料道路には日本のETCのような仕組みはなく、私の行動範囲の中では、ゲートの小屋にいる人に現金を支払いました。
WiFi

実際に使うことはありませんでしたが、多くの店舗や公園で『WiFi』の文字を見かけました。
街中やショッピングセンターなどで、公衆電話をよく見かけました。しかし使っている人を見たことはありません。
誰もがスマホを持ち、日本ほどではありませんが歩きスマホも見かけます。でも日本のように混雑していないので、
危険を感じることはありません。ショッピングセンターでは、通信事業者の店舗をよく見かけます。
スマホやSIMカードを売っています。カーナビのアプリやUberなど、スマホは日常生活に欠かせないものになっていますが、
今後も日常生活を便利で豊かにするアプリケーションが現れ、社会を変えていくのではないかと感じました。
7回にわたりメキシコ第2の都市グアダラハラから『平成の徒然草-メキシコ版』を発信しましたが、これが最終回になります。
次回は来週、渋谷から『メキシコ旅行の必須アイテム』について発信します。