Google翻訳

2017.11.16 岡田定晴
 秋のモノローグ(作曲:Amacha)

 技術設備の運用や、設備・システムの開発など、技術的な仕事をしてきた私ですが、 学生時代に一生懸命勉強したのに、社会に出てからあまり必要のなかった科目があります。「数学」と「英語」です。 逆に、学生時代にあまり勉強しなったのに、社会に出てから重要であった科目は、「国語」です。 勿論、海外出張や発表、海外のスタッフとのコミュニケーションのために「英語」が必要になったこと、 開発のために計算をしたり、論文を理解するのに「数学」が必要になったことはありましたが、 それはある限られた期間のことでした。

 日本人に日本語で伝えようとしても、同じ経験をしたことのない人には、伝わりません。 職種の違う人、あるいは同じ職種でも専門分野が違う人に理解をしてもらうことは大変難しいのです。 同じ仕事をしている限られた範囲の人にしか使われず、他には理解されない言葉もあります。 大きな仕事を進めるときには、多くの人の理解を得なければなりません。ですから、話すときも、 文章で伝えるときも、どのようにすれば正確に理解してもらえるのかを心得ていなければなりません。  一つ例をあげれば、「設備がトラブルを起こしたり、操作ミスなどで、関係者に多大な迷惑を かけたとき、どのように説明をすれば状況や原因や対応策が伝わって納得してもらえるのか。」という場合です。 『内容が誤解されずに正確に伝わり、納得して安心してもらうこと』 は、技術・情報システム分野で 仕事をする人の重要な役割です。

 どんな仕事でも、人と接することが必要でしょう。仕事を進めるには人を動かすことも必要です。 人を動かすには、共感を得て人の心を動かさなくてはなりません。会議での報告やスピーチ、 プレゼンテーションで共感を得ることは勿論、気持ち良く働いてもらい業務を円滑に進めなくてはなりません。 『その場の状況や人の心を理解し、人を動かすという能力』 は、「国語」とは少し違いますが、 技術・情報システム分野で仕事をする人に必須の能力です。



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受信メールリスト  前置きが少し長くなりましたが、サラリーマン生活を終え、深くインターネットにかかわるようになってから、日常的に「英語」に接するようになりました。

 インターネット関連の技術が、日本で独創的に開発されたものではなく、アメリカを中心に開発され、 世界中の人々がそれにかかわるようになったからでしょう。  shibuyawebcasting.com というドメインを取得し、ドメイン登録情報(Whois)でメールアドレスが公開されると、 海外の多くの業者から、「ロゴ」「Webサイトのデザイン・開発」「検索エンジン最適化」などの売り込みが 相次ぎました。いずれも、日本の業者は全くありません。ドメインを取得した人が必要とするサービスを売り込むのは 賢いやり方だと思いました。日本の事業者は、日本レジストリサービスから「ドメイン名登録情報の確認」があったのみです。

 また、私のウェブサイトはオープンソースを利用して開発していますが、そのために英文で書かれた説明を 読まなければなりません。利用価値の高い魅力的なソフトウェアを利用する場合も、英文のサイトを読み、 場合によってはアンケートに答え、英文でコメントを書くことも求められます。 このように、日常的に「英語」に接するようになりました。もちろん、技術的なことがわかれば英文が正確に 読めなくてもあまり困ることは無いのですが、何かを実行すること、レスポンスを求められている場合には、 正確に英文を理解しなければなりません。

Google翻訳  このとき、力になってくれるのが、「Google翻訳」です。 普段は、英語しか使いませんが、約100か国語相互の翻訳ができます。 英文をコピペすれば、すぐに日本語に翻訳されます。直訳的な感じを受ける翻訳ですが、 もう半世紀も過去のことになってしまった学生時代に、辞書を片手に苦労しながら英文を読んでいたことを考えると、 大変な早業で翻訳してくれるのです。直訳的だとか間違っているとか文句は言えません。 間違っていると思えば、そこから調べれば良いのです。

英文の手紙  一方、グローバル化も進んでいます。身近な人が海外に転勤して仕事をすることや、頻繁に海外出張をすることは 珍しいことではなくなりました。そうした関連で、私も海外でお世話になった人から手紙を受け取ったり、返事を書いたり ということもあります。特に、返事を書く場合は、自分の頭で英文を組み立てるのは大変なことですが、 「Google翻訳」で短時間に英文に変換してくれます。もちろん、日本文が正確に英訳されていないと感じることも多く、 翻訳された英文を自分なりに書き直し、それを「Google翻訳」で日本語に変換させて、これで良いのだと自分が納得するまで繰り返します。

 ほぼ正確な英文に翻訳されたという自信を持った時に専門家に見てもらうと、「Google翻訳」では対応できないであろう部分を 修正してくれました。 湯呑み 『謙譲の美徳が伝わるのか』 『相手が日本人なら全てを正確に言わなくても忖度されて伝わることが、 外国人には誤解される可能性がある』 『もっと正確な状況描写をして伝えたほうが良いこと』 ということなどでした。 いずれAIが解決してくれることでしょうが、用件だけを簡潔に伝えるビジネスレターではない場合、 翻訳にはまだまだ『人』が対応する余地があるのだと感じました。


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