メキシコで感じたICT

2018.03.25 岡田定晴
 セピア色の渚(作曲:Amacha)

 このブログは、メキシコから発信しています。

薪のオーブン テーブルの植物 Caramel Latte Omlette Salmon  閑静な住宅街にあるカフェで朝食を食べました。インターネットによると、営業開始は朝8時半です。 5分くらい前に着いて、店の前で待っていると、予定時刻の2~3分後に、ガレージのシャッターのような扉が開きました。 メキシコでは、約束の時間はあって無きが如くと聞きますが、ほぼ定刻どおりでした。 大きな薪のオーブンやマリーゴールド、テーブルの上の植物、屋根のないオープンスペースにある座席など、 日本では味わえない素朴な雰囲気のあるCafeでした。 木の板に数枚の細長い紙のメニューを挟んだものを2つ、飲み物と食事のメニューを受け取りました。 Caramel Latte(約240円)とOmlette Salmon(約500円)を注文しました。 このCafeでも、飲み物が先に届きました。ただ、飲み物も食事も、日本の常識からかけ離れた量がありました。 また、値段も日本の半分くらいです。自然に囲まれた中で、ゆっくりと朝食をとりました。

勘定  このような店は、首都圏ではお目にかかったことがありません。これに近いところを思い出すと、軽井沢かもしれません。 でも、ここではCafeの周囲に人はいません。ただ、このCafeを目指して人が集まります。店の中は、時間が経つにつれ、 徐々に賑やかになっていきます。日本以外の飲食店では、支払いはテーブルで行います。この店では、 小さなジョウロの中に入った請求書が置かれ、それにお金を入れて支払いを済ませました。

バーコードの読取&料金表示  お菓子と飲み物、アルコール類を売っているコンビニのような店に入りました。 通路は、一人が通れるくらいの幅で、左右に陳列棚があり、手を伸ばしても届かないくらいの高さまで 商品が並んでいます。また、店内の照明の色はとても鮮やかです。何か買いたくなるような雰囲気が あります。商品に値札は付いていません。値段を知りたければ、近くに設置されている小さなバーコードの 読み取り装置のところへ行きます。商品のバーコードを読み取らせると、 小さなディスプレイに値段が表示されます。高くはなさそうなお菓子の袋をバーコードにかざすと 日本円で2000円以上になるものもあって驚きます。店にとっては、一つ一つの商品に価格表示を する手間が省け、値段が表示されていれば多くの人が買うのをためらう商品まで買ってもらえるメリットが あるのかもしれません。顧客にとっては、買い物で失敗しないように、いちいち価格を確認してから カゴに入れていく必要がありそうです。

おもちゃ売り場のメリーゴーランド ショッピングセンター  夕方、大きなショッピングセンターに行きました。日本でいえば、アウトレットとデパートが 広いエリアの中に共存しているようなところです。日本以上に綺麗な店舗の集合体で、多くの人が集まって賑わっています。 日本では、このような場所をメキシコのイメージとして想像することはないでしょう。 おもちゃ売り場に入ると、奥の方に、公園にあるのと同じメリーゴーランドが目に入りました。 孫たちは、これに乗ったり、この脇にあるポップコーンの店でポップコーンを買って食べたり、 嬉しそうでした。帰りにおもちゃをおねだりしようという流れになるのだなと、思いました。



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Google Apps  さて、ICT(情報通信技術)で、最も驚いたのは家に帰ってからです。 つい4~5か月前までは、iPadのゲームに必死になっていた小学2年生の孫ですが、 以前ほどiPadのゲームには熱中しません。それよりは、私のノートパソコンを使いたいと言うようになりました。 何に興味を持っているのか、じっと様子を見ていると、ペイントとペイント3Dで図形や文字を描いて保存すること、 Google Apps でコンテンツを作成することです。 Google Appsは、学校で勉強しているとのことで、IDとパスワードを貰っています。 Google Classroom というアプリの中に、先生が作成したエリアがあり、そこに児童が自分の作成したコンテンツを登録しているのです。 同級生たちが作ったコンテンツも共有しており、自分ももっと立派なコンテンツを作らなければと競っているようでした。 孫に訊くと、小学校にはコンピューター担当の先生がいて、授業としてコンピュータを習っているようです。 算数のテストも、コンピューターを使って実施しているようで、良い成績が取れたと自慢していました。 私が興味をもって、小学校の先生のことを訊くと、日本の小学校のように、一人の先生が全てを教えるのではなく、 スペイン語の先生が2人、英語が1人、算数が1人、コンピュータが1人、合計5人の先生に教わっているそうです。 そして、コンピューターの授業は、コンピュータールームがあり、一人一台のデスクトップコンピューターを使って 行われるのだそうです。小学校の上級生か中学になれば、自分のノートパソコンを持って学校に行き、コンピューターを 使って授業が行われるのだそうです。

 でも、私が一番驚いたのは、小学校2年生が、Google Appsを使い、自宅に帰ってからパソコンでIDとパスワードを入れて 自分のコンテンツを見て修正を加えたり、先生や友達が作ったコンテンツを見ていることです。 小学校2年生で、インターネットを当たり前のこととして自然に受け入れ、使っているという柔軟性と、 小学校の授業として教えるという学校や教育関係者の認識の高さや柔軟性に驚きました。 インターネットに接することは、必ずしも良いことばかりではありませんが、 子供たちがこれから生きていくために必須の知識や思考方法を学ばせることの重要性を 教育関係者が理解しているから、また教えることのできる人材がいるから、このような教育が実現しているのでしょう。 大人になってからいくら勉強しても、子供のころからこうした教育を受けた人に勝てるわけがありません。 また、コンピューターやインターネットに理解のある人が多く存在することが、ICTを発展させるうえで 大きな強みになるでしょう。

 私は、ほんの一部のことなのでしょうが、メキシコでこのような現状を知って、漠然と日本のことが心配になりました。日本と世界の現状を把握している訳ではありませんが、 教育関係者が、先進的で柔軟性を持った人であれば、社会を変えられるのではないか、新しい技術が急速に発展する中で、 ICT(情報通信技術)に先進的な取り組みをして発展する国が現れる中で、日本は世界から何周も遅れてしまったのではないか、 と思うのです。誰か、私の不安を明確に否定してくれる人が現れて欲しいと思いました。




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