第八十二段
小さくなったパソコン周辺機器

 一年間使ったデスクトップパソコンのCドライブの容量が不足気味になってきたので、外付けハードディスク(Dドライブ)に大幅なデータの移転を図りました。これまでDドライブは、Cドライブのデータバックアップの目的で使っていました。しかし、今回のデータ移転によってDドライブのバックアップが必要になりました。新しい外付けハードディスク(Eドライブ)を増設し、2つのハードディスクには、同じ内容を書き込んでバックアップすることとしました。

 でも、右上の小さな弁当箱程度の大きさのデスクトップパソコンには、USBポートが3つしかなく、ポートが全て使われているので、ハードディスクを増設するには、USBの口を増やさなければなりません。家電量販店のパソコン周辺機器のコーナーに行くと、どれを選んだらよいのか決められないほどにUSB対応のハブが並んでいました。随分と長い時間、いろいろなハブを手に取ってみていましたが、電源を使わずに小型でUSB3.0対応で4分岐できるハブを見つけました。2420円でした。

 これまでデスクトップのUSBポートに直接つないでいた1TBのハードディスク(Dドライブ)です。もう一年半以上前に購入したものですが、外付け電源は不要でUSB3.0対応のポータブルハードディスクです。数年前までの外付けハードディスクは、本体のサイズが弁当箱くらいの大きさで大きな電源ボックスが必要でした。その電源が無くなり、簡単に持ち運べるサイズになったことに、購入した時は大変驚きました。

 新しく購入したUSB3.0対応ポータブルハードディスク(Eドライブ)です。敢えてDドライブとは違うメーカーのものを選びました。それは、同じメーカーではバックアップにならないかもしれないと思うからです。設計が同じで、同じ製造ラインでつくり、同じソフトウェアがのる装置は、同じ弱点を持ち、一方で発生した問題は、もう片方でも発生する可能性があると考えたからです。Dドライブのハードディスクとほぼ同じサイズですが、USBケーブルは太くて頑丈なものが使われています。7880円でした。

 ハブを購入しハードディスクを増設するついでに、SDメモリドライブも新設しようと考えました。それは、オフィスと自宅の間のデータの移動にクラウドのストレージを利用していましたが、記録メディアの運搬が不要で紛失の心配がない一方、パスワードの設定を含むデータの圧縮、アップロード、ダウンロード、パスワードの設定を含む解凍作業などに時間がかかったためです。特に、容量が大きくギガバイトのレベルになると、復元に失敗して時間を無駄にしたこともたびたびありました。また、デジタルカメラやノートパソコンで使われているSDmicroメモリーに対応する必要もでてきました。こうしたことから、時間を節約する目的でSD/SDmicroメモリーカードリーダー/ライターを買うことにしました。家電量販店に行くと、どれを選んだらよいのか決められないほどに商品が並んでいました。随分長い間、いろいろ手に取ってみていましたが、最も小型でUSB3.0対応、SDおよびSDmicroメモリーのスロットがあるメモリーカードリーダー/ライターを見つけました。1250円でした。

 因みに32GBのSDメモリーカードは、一枚1780円でした。平成15年(2003年)ころ、電源ボックスの付いた100~250GBのハードディスクを有難く使っていたころには、想像すらできなかった世界です。アルミ製SDカードケースという便利なものを見つけたので、買ってみました。6枚入りで680円でした。使ってみて、6枚入りは保存用として便利かもしれませんが、通常の使用では半分の厚さの3枚入りで十分だったことがわかりました。

 パソコン周辺機器とは言わないかもしれませんが、キーボードとマウスもデスクトップ本体との接続ケーブルが無く、パソコンの小型軽量化に貢献しています。平成16年に購入したDELLの小型デスクトップパソコンのディスプレイ背面には、電源ケーブル、キーボード、マウス、ディスプレイ用接続ケーブル、音声やマイクケーブル、その他ハードディスクの電源や接続ケーブルが入り乱れ、接続ケーブルだけでかなりの太さになっていました。

 写真中央は、無線(2.4GHz)キーボード&マウスセットのレシーバを、デスクトップ本体のUSBポートに差し込んだものです。最大10mまでの無線通信が可能な2.4GHz帯の電波で、キーボードとマウスの操作を可能にします。無線(2.4GHz)キーボード&マウスセット(キーボード、マウス、レシーバー)は、昨年の6月に購入しましたが、何と1320円でした。

 一年前に使い始めたオフィスのパソコンのメモリー不足を感じて周辺機器を整備した(これほど一般化し、小型軽量になったものに使う言葉ではないかもしれない)ことで、技術の進歩は止まることが無いことを思い知らされました。小型軽量化、高機能化、低価格化は勿論ですが、昔は秋葉原に行かなければ買えなかったものが、身近な家電量販店で豊富な品数の中から選べる時代になりました。このことに、ICT(情報通信技術)が社会に普及し、それを利用するためのツールは、昔、文房具を文房具屋さんに買いに行ったように、誰もが身近な家電量販店や、一部はコンビニで買える時代になったのだと感じました。

第八十一段
航空機内の巨大オンデマンドシステム

 35年ほど前に、私が初めて国際線に搭乗した時は、機内のエンターテイメントは、音声の10数チャンネルしかありませんでした。日本語、英語、中国語(広東語)のニュースや音楽でした。それでも、日本語以外の言葉や音楽が聴けることが新鮮な体験でした。航空機が、台湾、香港、シンガポールなど経由地で人が降りる度に、周囲から日本人の姿が消えていくと、日本から離れて海外に来たのだという実感が湧いてきました。英語や広東語のチャンネルを聴いていると、なおさらその感慨を深くしたものでした。

 7月から8月にかけて、メキシコに3週間ほど滞在するため、成田とヒューストンの間を、日本の航空会社を使ってエコノミークラスで往復しました。そのとき、座席の前の液晶ディスプレイでは、多くのチャンネルを楽しむことが出来ました。ホーム画面を見ると、スカイチャンネル、マップ、キッズ、のほか、スカイショップ、お知らせ、通信・接続などのメニューが並んでいます。

 約12時間の旅ですが、この時間を退屈せずに使うには十分な種類と量のコンテンツが収められていました。私は、NHKの19時ニュース『ニュース7』、ドラマ『科捜研の女』、マップ『オートズーム』、オーディオ『旅するクラシック』などを楽しみました。特に、マップのサービスは、出発地からの飛行ルートと現在位置、高度、対地速度、目的地への予想到着時刻、目的地までの所要時間など、知りたい情報が逐一表示されて、安心情報となっています。また、どのようなプログラムを見ていても、機内の重要なアナウンスがあるときは、画面中央に『アナウンス中 Passenger Announcement』という表示が出て、アナウンスが聞こえます。

 孫たちは、キッズ『名探偵コナン』『ドラえもん』『きかんしゃトーマス』『おさるのジョージ』『ちびまる子ちゃん』『クレヨンしんちゃん』などにじっと見入っていました。幼児や小学低学年の児童に、12時間の飛行が耐えられるかと随分心配したのですが、その必要は全くありませんでした。

 利用はしませんでしたが、機内でインターネットにアクセスできるサービスがあります。Wi-Fiの利用は、30分(15MBまで)で4.95ドル、一時間(30MBまで)で8.95ドル、離陸の約5分後から着陸の約5分前(100MB)まで19.95ドルとなっていました。時間制ではあるのですが、使用するデータ量にも制限があって、それを超えると接続が終了します。また、航空機のWi-Fiサービスの使用を認可していない国(インド、アフリカ・中米・南米の一部など)や北極上空などでは使用できません。この航空機内のインターネット接続サービスは、乗り継いだアメリカの航空会社にもありました。航空機からインターネット接続できる時代になったことにも、『今』を感じました。でも、仕事でどうしてもインターネットにアクセスしなければならない忙しい人には有難いサービスであると思いますが、一般人にはまだまだ高価なサービスで、簡単には利用できません。

 この航空会社、2017年の英国の格付機関SKYTRAX社のエアライン・スターランキングで、5年連続で世界最高評価『5つ星』を獲得したそうです。私は、その理由のひとつに、スカイチャンネル、マップ、キッズなどのコンテンツやICT関連のサービスがあるのではと感じました。私は、外国の航空会社も利用していますが、このようなサービスは経験したことがありません。飛行機の最後部にあるトイレを利用した帰りに、ほとんどの乗客が液晶画面を見ていて、その内容が人によってさまざまである状況を見て、『うーん』と感心してしまいました。35年前とは違う『今』を感じました。航空機内に『巨大なオンデマンドシステム』が構築され、乗客のニーズに合ったコンテンツを、乗客が必要とするときに提供するサービス(情報システム)が出来ていたのです。

第八十段
名古屋駅『壁画前』跡の巨大デジタルサイネージ

 

  名古屋駅には表玄関と裏玄関があります。表玄関は『桜通口』のほうで、銀色の円錐形のモニュメントがあります。1989年に名古屋市の百周年にあわせて設置されました。それ以前は、ここに噴水と『青年の像』があり、若くて発展している青年都市-名古屋を象徴するものであったと記憶しています。昔はJRに乗車していて見えた『大名古屋ビルヂング』は、新しいビルに建て替えられた今も、昔よりは控えめですが『大名古屋ビルヂング』と表示されています。駅ビルに入れば、『金の時計』があります。

 一方裏玄関は、新幹線乗車口のある西口で『太閤通口』になります。駅ビル内には、『銀の時計』があります。そのすぐ近く、駅ビルから外に出る建物の壁に、昔は大きな壁画がありました。待ち合わせ場所として多くの人が『壁画前』を利用していました。昭和45年3月、私の高校の修学旅行の集合場所にもなった懐かしい場所です。

 その後、壁画には全く無関心でしたが、先日名古屋に行った際、鮮やかな18面マルチの大型ディスプレイが目を引きました。18のディスプレイを横6×縦3につなぎ合わせて横長の巨大デジタルサイネージを構成しています。そこに、企業や映画や商品や駅ビルの広告のほか、雨雲ズームレーダー、ニュース、検索急上昇キーワード、経済の主要指数などを効果的に表示していました。

 この巨大デジタルサイネージ、1つのディスプレイがハイビジョン画質のものであるとすると、その18倍、すなわち横1920画素×縦1080画素×18=3732万4800画素の表示ができることになります。人の目線と同じ高さに設置されているディスプレイとしては、これだけ大きなものはあまり見かけません。メキシコ、グアダラハラの空港で、縦2×横4のディスプレイを、横に2台並べたものを見ましたが、あくまで8面で一つの画面を表示していました。

 多くの人が、この巨大デジタルサイネージをあまり気にすることもなく通り過ぎています。デジタルサイネージは、もう当たり前で、珍しくもなんともなくなってしまったのでしょうか。

 この巨大デジタルサイネージに表示されるコンテンツを見ていると、従来の広告でもなくテレビでもない『新しいメディア』を見ているのではないかと感じました。新幹線の到着を待つ間、誰かと待ち合わせをして待つ間、広告や気象やニュースや主要指数など、参考になる情報を伝えるメディアです。そして、万一災害が発生した時には、適切な情報を発信し、駅にいる多くの人々に安心安全を届けるメディアとなることを期待したいと思いました。