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第六十五段ESTA(エスタ)

 この夏、アメリカ国内の空港を経由して、メキシコの地方都市に行くことになりました。日本からの直行便が無いので、アメリカを経由します。これまで、アメリカには何度も行ったことがありますが、VISAが免除されていて、パスポートだけで入国審査を受けていました。それが、2009年の1月12日から、アメリカに渡航する前に、ESTA(Electronic System for Travel Authorization)の申請をして、渡航認証の承認を得たうえで渡航し、現地の審査官が入国の最終決定を下すことになっていたのです。アメリカの空港を経由するだけの場合も、このESTAの承認が必要です。その申請に14ドルを支払う必要があること、最新の技術を活用して国の安全を守ろうという姿勢にカルチャーショックを受けました。

 ESTAは、オンラインシステムで申請することができます。一度認証を受けると2年間有効で、その間にパスポートが切れる場合、新たにパスポートを取得した場合、性別・国籍・申請の回答内容変更などがある場合は、再申請をすることになります。

 ESTA申請公式サイトは、日本語で書かれています。まず、コンピュータシステムへのアクセス・セキュリティに関する通告を読んで、確認して次に進みます。申請者の情報(姓名、生年月日、出生市区町村名、出生国)、両親、パスポート情報、市民権・国籍、
連絡先情報、ソーシャルメディア(オプション)、緊急連絡先、渡航情報、勤務先情報、適格性についての質問、などに答えます。ここまで情報を入れなくては渡航させてもらえないのかと思うほど詳細な内容を訊かれますが、これもテロを未然に防止し、安心して旅行するために必要なことと思えば納得のいく質問ばかりです。そして、申請内容の確認、支払いへと進みます。最後に、「あなたの渡航認証は審査中です。72時間以内に判定が下されます。再度このウェブサイトにアクセスし・・・認証に関するESTA状況を確認してください。」「支払い手続きが実行されました」というメッセージが表示されます。

 一つ一つ慎重に情報を書き込み、何かあった場合に備えて画像をキャプチャーして内容を記録していくと、結構な時間がかかります。ESTAの情報システム側からみると、セキュリティの観点から一定時間以上接続できないのか「時間オーバーです。このまま作業を続けるにはこのボタンを押してください。」とういう主旨のメッセージが何度も表示されました。推定平均記入時間は20分となっていますが、途中まで入力したときに何度もエラーメッセージが表示されたため、最初に戻ってやり直したので、一時間近くかかってしまいました。

 申請の翌日に、ウェブサイトを確認すると、「認証は承認されました」というメッセージと注意書き、支払領収書が表示されました。この画面をコピーして旅行に持っていくことになります。そのページの最後に、「旅行およびツーリズム公式ウェブサイト」や一次審査エリアでの自動化手続きの紹介があり、「楽しいご旅行を。米国訪問を歓迎します。」と書かれていました。

 気付いてみればいつの間にか、海外旅行をするにも、ICT(情報通信技術)のお世話にならなくてはならない時代になっていました。ここで述べたような「情報システムの操作」が的確にできなければ、人に頼るしかありません。ESTAの申請費用以外に手数料はかかりますが、この申請を代行するビジネスもあります。ESTAのお陰で、安全で快適な旅行が支えられていると考えれば、入力の手間が多少面倒であることは我慢すべきでしょう。また、申請費用14ドルというのは、高価な印象を受けますが、ESTAの情報システム開発や維持運営に必要な経費をしっかりっと確保するために必要な金額なのでしょう。ICTの恩恵を受け、それにお金を支払う時代になったのだと感じました。

岡田定晴: (おかださだはる 1952年生)名古屋市出身。平成28年10月にHTML5・CSS3・Javascriptなどのオープンソースで独自構築したウェブサイトをスタートしました。ブログ「平成の徒然草-ICT版」は、情報通信技術の発展と活用によって変わっていく世の中を、この六十数年の間、自ら体験したことや感じたことを随筆で描くものです。