スマホのようなガラケー

2018.02.09 岡田定晴
 夕日に追われる心(作曲:Amacha)

スマホのようなガラケー

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 前回のブログ、『温めたら治った』 という出来事があった日から、間もなく2週間になりますが、iPad miniはずっと正常に動作しています。 その後、あの時ほど冷え込むことは無く、急に完全放電状態になったのはやはり低温が原因であったのだろうと思っています。

 さて、妻がついにガラケーからスマホに切り替えることになりました。その理由は、 ①ガラケーで配信されていたニュースコンテンツが終了する、②容量が足りなくてスマホからの写真が受け取れない、 ③周囲の人から見られると恥ずかしいほど外観が老朽化した・・・などです。

 一方、私自身も、いよいよガラケーからスマホに切り替える決心をしていました。 その理由は、①iPad miniが故障した時にバックアップできるものが、大きなノートPCやデスクトップPCしかなく生活が不便になる、 ②銀行やクラウドにSMSや携帯メールアドレスを登録して暗証番号や取引等の通知を受信しているが、ガラケーが故障したらこれができなくなる、 ③会社を定年退職してからはWiFiルーターの契約を更新をしておらず、WiFiが使えない場所ではiPad miniがネットに接続できず不便を感じることがある、 ④ガラケーの外観や充電用のコネクターを見ていると、何時故障をしてもおかしくないほど老朽化が進んだ・・・などです。 ですから、ガラケーが故障したり、iPad miniの故障が治らなかったなら、迷うことなく直ぐにiPhoneⅩに切り替えていたでしょう。 でも、ガラケーは故障せず、iPad miniも治って正常に動作を続けているのです。

 夫婦そろって、ガラケーをスマホに切り替えたいという状況に追い込まれ、一緒に携帯ショップに行くことになりました。 携帯ショップは、予約をしてから行くことが常識なのでしょうか。店に入って受付番号票を取ろうとしていたら、 店の人が来て、『予約をしてないのか』と何度も訊かれました。また、電話をどんな機種にするのかを訊かれ、 ○○と△△と伝えると、どちらも在庫が無いので待たなければならないと言われました。その時、午前11時だったのですが、 相談だけでもしたいと伝えると、本日であれば14時以降になることと、アンケートに記入することを言われました。 アンケートの内容を見ると、これまでガラケーを使ってきた60歳を過ぎた人には全く的外れな質問ばかりでした。 もう、スマホからスマホへの機種更新が主流の時代になっている、自分たちはそれほど長い間ガラケーを使ってきたのかと感じました。 妻は、内容が全く理解できず、私の書いた結果を見てそのまま書き写しました。記入したアンケートを先ほどの人に渡すと、 『午後2時に来るように、15分以上遅れると予約はキャンセルされる』と冷淡な感じでした。

 携帯ショップの応対に腹を立て、寿司屋に予約を入れてゆっくり昼食を食べた後、予約時間になるまで、店に展示されている 携帯電話を見ていました。妻が選んだのは、iPhoneやXperiaやGalaxyやNexusなどのスマホではなく、押しボタンがあって、 外観も今まで使っていた折りたたみ式の電話でした。これまで使っていたガラケーと同じメーカーのもので、後継機種とも言えるものでした。 『SafariやAndroidなどのブラウザを持ってネットサーフィンができるスマホ』を選ばなかったのは、 ①誰もが電車の中で忙しそうにスマホを操作している姿を好ましく思っていなかった、②自宅でiPad2を使っている、 ③外出中にインターネットで複雑なことをしたくなかった、というのがその理由です。



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 いよいよ予約時間になり、番号で呼ばれました。案内された窓口に行くと、担当者は若くて、何を訊いても的確に応えられ、 応対も的確な人でした。先ずは、妻の方から始めてもらいました。機種は○○ですと伝えると、電話機の価格と月額の料金を提示されました。 これまでは、電話機が無料で通信料が高かったのですが、その仕組みが見直されたため、電話機の価格が高過ぎると感じました。 でも通信料が安くなっているため、電話機の価格は妥当であると思い、決めました。ところが、クレジットカードへの加入、ポイントカードの登録、 自宅に送られてきたクーポン券など様々な条件を適用し、電話機の価格は提示された価格の半分くらいになってしまいました。 何か確認したいことはありませんか?と訊かれ、『SMSが使えること。SMSと携帯メールアドレスが変わらないこと。 インターネットに繋がってテニスの予約ができること。LINEが使えること。』を確認しました。 数日間は解約ができるが、それは商品に対して充分な説明がされていなかった場合のみであると言われ、 OKをしました。午前中、在庫が無いと言われた機種も在庫があり、目の前で新しい携帯電話への切替作業が完了しました。 また、電話に登録してあったアドレス帳ほか写真を除くデータは、赤外線通信で移してもらいました。

 一方、私の方は、iPhone8とiPhoneⅩの価格がどちらも10万円を超える価格であることを知り、 iPad mini をスマホのテザリングで使えば、もっと安価で小型のスマホで良いのではないかという迷いが生じたため、 もう少し検討をすることにしました。また、今私が使っているガラケーが韓国製で、会社が倒産したために、 もう修理やメンテナンスができないので、一刻も早く切り替えるように言われました。
韓国製のガラケー  思い出してみれば、もう5年以上前に携帯電話の周波数変更があり、機種変更を迫られたことがあります。 仕事が忙しく時間がなかった私は、通信キャリアの携帯ショップではなく家電量販店に行きました。妻は携帯ショップに行き、 高級感ある日本製のガラケーに変えてもらったのに、私のは、機構的に弱点がありそうな韓国製の携帯でした。 一年もしないうちに充電するための置台が使えなくなり、その後充電ケーブルを直接携帯につないで充電していましたが、 間もなくコネクタが破損し、破損した部品を輪ゴムで固定して使っています。 韓国製のガラケー また携帯電話機のケーブル接続部分のカバーが外れてしまい、 受けのコネクタがむき出しになったまま使ってきました。妻には、通信キャリアから様々な案内やクーポン券が送られてくるのに、 私のところには来ません。あまり気にしなかったのですが、携帯電話会社が倒産したという情報すらもらえず、 携帯ショップと家電量販店の対応の違いが、あまりにも理不尽に感じられました。
 妻と私の対応で、この間、約一時間かかりました。ソフトウェアの塊であるかなり複雑な装置が売られる時代になっている、 買う側も大変だけど売る側も大変だなあと感じました。

 妻が新しい携帯電話を使い始めてから、わからないことばかりでパニック状態になっていました。 電話やメールの受信を通知する音が違ったり、操作の仕方やボタンの位置が変わったり、文字の入れ方がわからなかったり・・・・・。 一度操作をして分かれば何でもないことが、説明書を見ても理解できず、私に『同じ電話を買って使い方を教えて欲しい』という 始末でした。これまでガラケーで、インターネットに接続して『テニスの予約』ができたのに、新しい携帯電話の 文字の入れ方、モードの切り替え方がわからないために、ID・パスワードの設定ができず使えないのです。 人に頼んでURLの『お気に入り』への登録までは出来たのですが、文字入力でギブアップしたようです。 私も携帯電話の取扱説明書を見ましたが、説明書を見ただけでは理解できません。実際に操作してみて、試行錯誤をしてやっと解決しました。 でも、装置のクセというか、なぜこのような不自然な操作をしないとモードが変わらないのか、首をかしげるようなことがありました。 SMS、携帯メールがこれまでと変わらずに使用でき、インターネットに繋がってテニスの予約状況の確認や予約ができるようになり、 これまで使っていた機能が確保できて、妻はやっと落ち着きました。インターネットへの接続は、LTEになり格段に速くなったようです。 妻は、新しく使えるようになったインターネット関連の機能にはほとんど興味が無く、少しずつ子供たちに教えて貰おうと考えているようです。

 この携帯電話は、iOSやAndroidなどのOS、SafariやChromeのようなブラウザを持ってネットサーフィンができるものではありませんが、 ①WiFi接続、②テザリング、③テンキーやその周辺釦上をなぞってのポインター操作、④辞書機能、⑤天気アプリ、⑥歩数計やカロリー計算、 ⑦TV(ワンセグ)の受信、⑧FMやAMのラジオ受信、⑨おサイフケータイ、⑩大容量長寿命バッテリー、⑪防水、⑫騒音の多い場所での通話、 ⑬LINEで写真やチャット、・・・など多くの機能があります。

 妻が購入した電話は、スマホなのかガラケーなのか、ふと疑問に思ってスマ―トフォンの定義をWikipediaで調べると、 『先進的な携帯機器用OSを備えた携帯電話の一種。従来の携帯電話(フィーチャーフォン)や、パソコンの機能を取り込んでいる携帯端末とされるが、一義的に明確な定義は無いとする立場もある。』 とあります。購入した妻の携帯電話の仕様を調べても、OSやブラウザについては何も書かれていません。しかし、簡単なブラウザの機能はあり、URLを入れるとインターネットに繋がります。 更に『ガラケー』を調べると、 『フィーチャー・フォン』に自動転送されました。それによると、『初期の第2世代携帯電話は、音声通話とSMSだけをサポートする機種がほとんどであった。 しかし、通信インフラの改善やコンピュータ技術の進展に伴い、携帯電話にも、WAPブラウザー、高度な電話帳、SMS以外のメッセージ手段などが搭載されるようになり、明らかに、 それまでの音声通話とSMSだけのフォンとは異なるので、それらの(当時としては)高機能なフォンを指す用語として、 フィーチャー・フォンという用語が使われるようになった。・・・・・・ 日本においては「ガラパゴス化した携帯電話機」という意味でガラケーとも呼ばれる。 スマートフォンが普及した時代でも、シンプルさや充電の持ちなどを生かした一定の需要があり、 災害などの緊急時に懐中電灯やFMラジオになるなどの機能を持ったものもある。』と書かれています。

 私は『iOSやAndroidなどのOS、SafariやChromeのようなブラウザを持ってネットサーフィンができない電話はガラケーである。』と 思いますので、妻が購入した携帯電話は、従来のフィーチャー・フォンが4G(LTE)に進化したもの、 従来のガラケーが進化した新時代のガラケーなのだと認識を新たにしました。 今の時代、ガラケーは過去のもので、(携帯電話を更新すること) = (スマホに切り替えること)と思い込んでいた私が間違っていたと気付きました。 私には、iPod touch、iPad2、iPad miniを使い、常時インターネットに接続できる環境があったので、スマホに切り替える必然性はなかったものの 『今でもガラケーを使っているのか』という周囲の目は少しは気になります。 でも、妻が購入した『スマホのようなガラケー』を見ると、スマホにはない特長があり、しっかりしたニーズを背景に 日本のガラケーは絶滅することなく今でも発展しているのだと思いました。海外にはない日本独自の進化を遂げているのです。 スマホを使っている人の『今でもガラケーを使っているのか』という優越感は、ガラケーの進化を受けて、 少し見直す時期に来ているような気がします。

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